地球上の生命を育んでいる、太陽や月をまず、感じること。そして、大地を、地球上の自然を、草木を、昆虫を、動物を、山を、海を、そして、人を感じること。
人類が環境意識を取り戻すことによって、自然が再生していく可能性があり、地球の自然界が、循環していた状態に戻すことができる。
地球をひとつの生物圏として感じる、あるいは、「観じる」意識が欠如している限り、環境問題は解決できない。太陽や月を感じていない、いつ満月かも知らない、大地を、地球上の自然を、草木を、昆虫を、動物を、山を、海を、そして、人を感じていない人間に、環境破壊をとめることは無理なのだとまず、心の深いところに刻むべきである。.....




環境意識 序説(抜粋)

環境意識とは何か?
環境意識とは?

考えたことがあるでしょうか?

まわりを感じること。
「まわり=環境 を、感じる=意識する」
それが環境意識。

地球上の生命を育んでいる、太陽や月をまず、感じること。
そして、大地を、地球上の自然を、草木を、昆虫を、
動物を、山を、海を、そして、人を感じること。
それが、本当の環境意識。

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人類が環境意識を取り戻すことによって、自然が再生していく可能性があり、
地球の自然界が、循環していた状態に戻すことができる。
そして、環境意識が、人を進化させる。という明確な直観がある。


第1章 環境意識を持つことによって

20世紀の終わりの頃、アースデーで時々講演をした。そのときに、一緒に講演する人たち、環境運動をやっている人や環境ビジネスの人。その人たちは、花も、月も感じていないような話し方をしていた。いつ満月かも知らず、花も感じない人が、つまり、環境意識のない人が、環境を語っている。左翼運動のパターン、起業活動のパターンで、環境が語られているように聴こえた。その時、形の違う、環境問題、環境破壊を、今までの環境問題と同じような構造で、また起こすことになるのだろうな・・・と、人間のサガのようなものを感じて、なんだか虚しく、アースデーでの講演をその後やめてしまった。

バイオマスのエネルギーは、環境にいい。環境対策の大きな柱として注目されていたし、今も、重要な価値があると思っている。バイオマスのエネルギーは、環境に対してインパクトが少なく、生態系と調和のとれた利用が可能。大気中に放出される二酸化炭素量は、バイオマス育成時に光合成により固定される二酸化炭素により相殺されるので、バイオマスのエネルギーは地球規模での二酸化炭素のバランスを崩さない。CO2バランスを壊さないクリーンなエネルギーである。ただし、それを開発し、発展させる人間が、まわりを感じるという環境意識をもっていた場合である。

2008年に、様相が一変した。環境学者の間では、数年前から懸念されていたことなのだが、バイオマスの原料としてのとうもろこしの栽培のためにアマゾンの森が破壊された。各国政府がガソリンに数パーセントのバイオエタノールのオイルを入れることを義務付ける方向に動き、とうもろこしの高騰と食料の枯渇を生み出し、アフリカでのさらなる食糧危機が報じられた。一方で、カジノをつくってギャンブルを楽しむアメリカのとうもろこしバブル農家の出現をテレビが報じていた。

グローバリズム経済の中に、環境のためのバイオマスのエネルギーが繰り込まれることによって、環境意識のない環境運動や、環境活動、環境政策とは、こんなものを生み出してしまうということの実証である。

地球をひとつの生物圏として感じる、あるいは、「観じる」意識が欠如している限り、環境問題は解決できない。太陽や月を感じていない、いつ満月かも知らない、大地を、地球上の自然を、草木を、昆虫を、動物を、山を、海を、そして、人を感じていない人間に、環境破壊をとめることは無理なのだとまず、心の深いところに刻むべきである。

人類が破壊している自然界の姿は、もし人類が絶滅して、人類がいなくなったら、50年で地球はもとの自然に戻る、という科学的な研究結果が発表されている。

環境意識、まわりを感じる。「まわり=環境 を、感じる=意識する」。この環境意識を、人類が取り戻すことを、すべての環境が、動植物が、地球が、太陽が、宇宙が、要請しているのだ。そして、もっと正確に言うと、環境意識を人類が「取り戻す」のではなく、人類史上初めて、環境意識から宇宙意識へと進化する文明を生み出すことを、地球のすべての生命と、地球と、太陽と、宇宙が、望んでいるのだ。

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20世紀に、人が感じなくなったものを「感じる」ことが今、重要なのだ。草や木のリズムを感じる、花の美に宇宙の営みを感じる。虫の声に、知らせを感じる。月のリズムを感じる。宇宙のリズムを感じる。生命に共通のリズムを感じる。自然のリズムを、収穫によって感じる。その作物が、太陽や月や、大地や、虫や、微生物や、水のおかげで収穫できたこと、すべてがつながっていることを「感じる」。

すべてが繋がっているという「感謝」という感覚から「祭り」を行う。
祭りというダイナミズムによって、人が、宇宙や、自然のリズムを心の深いところで「感じる」。そういったことが、社会のシステムを変え、そして、大きな意識変革のために必要なのだと考えた。

環境意識コミュニケーションとは?

今、感じていない、まわりの、環境を感じる。それを感じるためのコミュニケーションを行うこと。つまり、環境意識を高めるコミュニケーション、それが、環境意識コミュニケーション。番組や、広告、報道の基本精神が、すべて、環境意識コミュニケーションとなるべきなのだ。すべてのマスメディアによるコミュニケーションを環境意識という観点から見直すべきだ。

企業買収の話題の中で、メディアの公共性、という言葉が聞こえてきた。しかし、コミュニケーションの公共性とは、大衆の支持という言葉で紛れ込んだ視聴率主義、支持率主義とは、本来はまったく違う。公共性とは、人々の環境意識を高めるための環境意識コミュニケーションか、否か、究極すればそれだけにかかっている。

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第2章 環境とビジネス

「働く」とは、「はた が、楽になる」ように、人が活動することだ。

ビジネスと環境を、2極化して考える、二元論。それを乗り越えるには、まず、利益追求が企業の目的だという大原則に、正面から疑問をぶつけることだ。

「働く」とは、「はた が、楽になる」ように、人が活動することだ。企業の活動の継続のために、社員の生活のために、利益を生み出す工夫と努力を行なう、つまり、働くのは、当然のことだが、利益追求が、企業の目的ではないことを感じなければ、企業も、国も、人類も、環境破壊を続けざるを得ない。
まず、何のために「食」を生産するのか? 何のために「車」をつくるのか? 何のために「伝える」のか? どう「働く」、「はた が、楽になる」のかを、個人の目的、企業の目的として、深く認識しなければならない。企業の目的も、人のためになることであることを、今、忘れてしまっている。真の目的がお題目になっては、いけない。

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一方で、目的だと思っていたお金を支える金融システムが崩壊しようとしている。人類だけの、あるいは、一部の先進国の価値観が、崩壊の危機に瀕している。

しかし、宇宙から見れば、環境のためのバイオマス・エネルギーで、森を破壊し、食糧危機を生む、そんな金融システムなど崩壊した方が自然の道徳に即している。それが、宇宙の意志だと感じているのではないだろうか? お金が目的、経済の右肩上がりだけが幸福の指標と考え、お金のために、地球環境を破壊し、お金のために報道の価値や、日本の文化を、地に貶めた。そして、公僕が盗人になるような、「目的がお金」という意識が支えてきた金融システムは、崩壊する。そのとき、何が残るのか?

「働く」とは、「はた が、楽になる」ように、人が活動すること。という本質に戻れば、いい。まず、まわりのもの、「環境」を感じるという、生命として、人として、普通の環境意識を取り戻せばいい。


第3章
カレンダーと環境

「カレンダーと環境、カレンダーと社会、カレンダーと人」というテーマで、河合隼雄さんと公開の対談をした。 カレンダーが、環境意識を高めたり、なくなせたりすることに、日本人は気づいていない。カレンダーが、自然を感じやすくしたり、感じなくさせたりすることを考えたことがありますか?

コズミック・ダイアリーを使うと
どうして生理不順が治るのか?

マヤの叡智を基にした28日周期の『コズミック・ダイアリー』をはじめて出版した時に、信じられないくらい多くの人から「生理不順が治った」という電話をいただいた。
宇宙に28日のリズムがあって、そのリズムの中で、細胞、遺伝子が育まれたとしたら、
28日という周期は、イコールからだのリズム。31日、28日、31日、30日・・・・というガタガタの今のカレンダーを、使うことによって、女性の生体のリズムを狂わすようにイメージトレーニングしているのに気づく。カレンダーは、プログラミング装置なのだ。細胞や遺伝子は、28日周期をまだ保っている。宇宙のリズムも身体のリズムも28日なのに、頭の中だけまったく違うリズムで生きているとしたら、自律神経がおかしくなってくるのが当然だ。女性が生体のリズムを取り戻した一つの証拠だと考えると、社会全体が自然のリズムを取り戻すという、次のステップへの想像力をかきたてる、

本当のカレンダーとは?

太陰暦は、日本人に月を通して、環境意識を確立させた。
カレンダーは、共振の場を作る。自然に合ったカレンダーであれば、その自然との共振の場をつくる。自然時間のカレンダーが環境意識を育む。カレンダーとは、それを使うと宇宙の摂理がわかり、それを使うと心も、からだも健康になる。それが本当のカレンダーなのだ。


第4章 環境意識の宇宙的展開

環境意識を持つということは、地球を感じるということ。地球上のすべての人類を感じる。すべての生命を感じるということ。環境意識は、ガイアをガイアとして感じる、生命として地球を感じる、そういう惑星意識というものも、意味しているのだ。そして、環境意識は、太陽の恩恵を感じ、月を感じ、星を感じ、惑星軌道や周期を感じ、銀河を感じ、宇宙の摂理、自然の因果応報を観じるという、宇宙意識をもつということにならざるを得ない。

環境意識が、まわりを感じることであれば、その感じる対象が自然であれば、それは、太陽系の動きとつながっており、さらに、銀河の動きとつながっている。そこまで感じることによって、人間は、環境意識によって、完全な叡智を身につけるところにまで近づく。

日本人が環境意識を高め、人類に広く共有していく活動を進めれば、人類の意志によって、地球全体が、有機的な秩序が、生命を永遠に生み出す星として息づくことだろう。もちろん、その活動が環境問題の解決ももたらす。

人類にとっての環境意識の一番大事なのは、太陽を意識すること、太陽を感じることである。今や、日の出を生まれてから一度も見たことがない子供が、50%を超えている。
太陽の意志から、宇宙の意志、摂理、法則を実感することが、今、一番肝要。
人類が、太陽の意志を感じ、そのエネルギーを人間の中で活性化することによって、人の持つエネルギーと、地球の持つエネルギーと、太陽のエネルギーが、共振し始める。それが、循環型社会といわれるものの目指す正確な方向である。

第5章 人間は、環境意識によって、完全な叡智を身につける

夏は暑いが、暑いのはどうしてか? と聞くと、
夏だから・・・・としか、答えられない。

そういう無明から、環境意識は、因果の理由を知ることによって、悟りを導いていく。簡単に言うと、地球が太陽の周りを大航海する公転により、日本の四季がおとずれることを知るだけでなく、観じるようになる。
まわりを感じる、環境意識は、まわりを広げることにより、宇宙意識となり、まわりの因果、変転の法則を感じることにより、心という、高次元への通路を越えていける。

今、人類は何をするべきなのか?

心の中に、純粋にあるもの。本来の自分。自己。意識。というのは、どこからきたものなのか?
「オーガニック・オーダー(有機的秩序)」がわかれば、宇宙の周期が時間とわかれば、そのリズム、周期、そういうものから、遺伝子が、細胞が生成されてきたのを観じる。そして、生命が育まれ、地球に生命があふれ、地球自体がひとつの生命体、ガイアなのであれば、その宇宙のリズムの中に、宇宙の意志を感じてもおかしくない。それが、生命を生み、緑の地球を生み出し、維持しているなら、われわれの意識は、本来は宇宙意識だと考えた方が無難な科学的な見解だといえる。なぜなら、本来、生命は、すべて宇宙のリズム、周波数、意志、から生まれたものであるから、本来の自己存在は、宇宙意識そのものなのだから・・・。

第6章 環境意識は 悟りを導く

地球環境を考えると、オーガニック・オーダーという言葉が、浮き上がって見えてくる。地球は、地球上のすべての生命が有機的につながって存在し、依存しあっている。さらに、太陽の光と熱とエネルギーによって、この地球の環境、生命の営みが生まれ、月との関係、他の惑星との関係も含めて、目に見える大きな影響から、目に見えない影響まで、すべてがつながって、影響を与え合い、オーガニック・オーダーとして存在している。

環境意識は、人間中心の意識から変容し、進化していく。宇宙的なビジョンという発想から考えなくては、目先の利益のために大局を失うのと同じく、地球環境といいながら、宇宙的に見る、普遍化された視野を目指さなければ、実際の地球を感じていることにならないし、地球環境の解決はできない。
そういう真理に向かうか、「無明」のまま、つまり、宇宙の摂理を知ろうとせずに、囲の中の蛙のままでいるかは、自由意志に任されているといっていい。一人が、智恵を持っても、人類としては、意味がない。人類全体が、智恵を持つために、お互いに影響を与えて、感化しあうことが重要。それが、環境意識を高めるコミュニケーション。そのために、献身することが、オーガニック・オーダーの最高の結晶状態としての水晶のように、地球と人類を輝かせることができる。環境意識コミュニケーションとは、そのためのコミュニケーションである。